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2017年6月18日 (日)

コンセプトの違い 【軍事、航空】

度々こういう話が出てくるが…
ゼロ戦って実は最初から弱かったんでしょ?
http://m.military38.com/article/50233982/comments?guid=ON
零戦の何が凄かったかっていうと、普通に欧米圏の戦闘機と比較しちゃうと解らない。先ず零戦の設計時のコンセプトは?と考えると
甲:航続距離の長い陸上攻撃機(爆撃機)の離陸時から帰還まで直援が可能な“単発の戦闘機”
乙:最高速度は欧米機並み
丙:旋回性能は単発戦闘機で最高水準と言われた九六艦戦並み
さてさて、この手のコンセプトで作られたこの頃欧米機って?一つ一つ出してみましょう。
甲:ボーファイター、ポテ630、P-38、Bf110
いずれも双発機で、爆撃機の直援機としては失格の烙印を押されている。
乙:挙げればきりなし。但し航続距離は大体1000km前後が大勢。
丙:I-15ter、CR42、グラディエーター
いずれも複葉機。旋回性能は抜群だが、最高速度は単葉機と大きく溝をあけられている。
因みに甲と乙、乙と丙は相反する要素です。レーシングカーで例えると、甲と乙は燃料補給のピットインを減らす為に燃料タンクを大きくしたいが、そうすると大きなタンク及び満載した燃料で重くなり、その分どうしてスピードがでない、という感じ。
乙と丙はコーナリング性能が欲しいのでウィングを大きくしてダウンフォースを稼ぎたいが、そうするとウィングが余計な空気抵抗となってスピードが出なくなるという感じ。
しかもこれを1.5LのNAエンジンで3Lターボ搭載車と同速度にしろって言うんです。
さてなんとなく解りましたでしょうか?
このコンセプトを全て満たしたのは他に陸軍の隼と米国のP-51位しかありません。それほどバランスが難しいという事なのです。あちらをたてれば、こちらはたたず、になってしまい、結局何かを諦めてしまいがちでした。一方、大陸ならば比較的簡単に仮設飛行場を作れましたから、航続距離は短くて良いのでここを削れば良いという所もありました。だから欧州機ではこの手の単葉戦闘機はおらず、双発機で軽爆撃、攻撃機、偵察機、嚮導機等との兼任でした。
ごく普通の“戦闘機”では無い所に凄さがありましたって話でした。

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